八島高明の西洋占星術教室2

 

西洋占星術の基本とは

 

西洋占星術による占いの基礎となるのは個人の生年月日、生まれた時間、生誕の場所です。占星術全般は「生まれた瞬間の星の配置が人間に影響を与える」と考え、西洋ではそれを「ホロスコープ」と呼ばれるものに書き込んでいきます。西洋占星術で使用するのは主に以下の天体です。

 

1)太陽・・最も重要な星。太陽が象徴するのは男性的な自我、強さ。父性。明るい意識を表す。

 

2)月・・感受性を表す。女性的な資質であり母親の象徴。母性。静かな暗い意識を表す。

 

3)水星・・太陽に最も近い星。早く回転するので機敏さ、頭の回転の良さ。また商業的な能力。時に天使的なメッセンジャーともなる。

 

4)金星・・美の女神。女性的な美しさ。恋愛や愛情を司る。学問や芸術にも関連している。

 

5)火星・・赤い色から鉄と血を連想させる。戦争。男性的な闘争心。野心。攻撃性。生存本能。

 

6)木星・・厳しい教師。白く輝く天界の最高神ゼウス。社会的な立場や貢献度を示す。個人と対極的な組織全般を表す。

 

7)土星・・暗く鈍い意識。運命的な障害、困難、苦痛。カルマ的なシャドウ(影)となり運命を邪魔する。

 

※現代ではこれらの古典的な星に加えて天王星、海王星、冥王星なども加える。

 

 

西洋占星術で使用する星座とは

西洋占星術では星の入る星座によって、その意味を読み取ります。星座は以下の12星座を使います。春分点を起点として天空を360度に分割し、各30度ずつに星座を当てはめていきます。12星座には以下の意味があります。

 

1)牡羊座・・活動性。火のエレメント。支配星は火星。男性的な星座。

 

2)牡牛座・・不動性。地のエレメント。支配星は金星。女性的な星座。

 

3)双子座・・柔軟性。風のエレメント。支配星は水星。男性的な星座。

 

4)蟹座・・・活動性。水のエレメント。支配星は月。女性的な星座。

 

5)獅子座・・不動性。火のエレメント。支配星は太陽。男性的な星座。

 

6)乙女座・・柔軟性。地のエレメント。支配星は水星。女性的な星座。

 

7)天秤座・・活動性。風のエレメント。支配星は金星。男性的な星座。

 

8)蠍座・・・不動性。水のエレメント。支配星は火星。女性的な星座。

 

9)射手座・・柔軟性。火のエレメント。支配星は木星。男性的な星座。

 

10)山羊座・・活動性。地のエレメント。支配星は土星。女性的な星座。

 

11)水瓶座・・不動性。風のエレメント。支配星は土星。男性的な星座。

 

12)魚座・・・柔軟性。水のエレメント。支配星は木星。女性的な星座。

 

 

西洋占星術のホロスコープとは

ホロスコープを作成する場合は正確な出生時刻が必要です。出生の瞬間に各天体の配置がどのようになっていたのかを計算します。多くはエフェメリスと呼ばれる天文暦を使用しますが、昔の占星術師は実際の天空を見て天体の配置を計算していたと言います。

その後、惑星の運動が計算によって求められるようになると、天文暦が作成されるようになります。

 

まず天文暦から自分の生まれた生年月日の箇所にある天体を探します。太陽の位置、月の位置、水星、金星、木星、土星を記入していきます。次にアスペクトと呼ばれる星どうしの角度をみます。

 

 

西洋占星術のアスペクトとは

西洋占星術のアスペクトとは中心となる地球をはさんで、星が作る角度のことです。このアスペクトの良し悪しで星の意味が変化します。現在のようなアスペクト理論を作ったのはケプラーと言われますが、以下がアスペクトの意味となります。

 

◇アスペクト0度・・コンジャンクション(合)星が重なり合う状態。互いの星で力が強まるという。

◇アスペクト180度・・オポジション(衝)星が正反対に位置する状態。反発力、緊張関係を意味する。

◇アスペクト120度・・トライン(三合)星が三角形を形成する状態。安定性。調和を意味する。

◇アスペクト90度・・スクエア(四分)星が四角形を形成する状態。互いの力がぶつかり合う。

◇アスペクト60度・・セクステル(六分)星が六角形を形成する状態。安定の意味がある。

 

最後に出生時刻を地方恒星時(時差の補正)に直し、アセンダントを求めて12ハウスに分割します。アセンダントは生誕の瞬間に東の地平線に昇っていた宮のこと。占星術ではこれをとても重要視します。ハウスはいわば占星術解釈の要です。12ハウスにどのような星が入るかでその解釈をしていきます。

 

 

西洋占星術のハウスとは

1)第一ハウス・・自分自身の室。与えられた環境、物の見方を示す。

 

2)第二ハウス・・経済的な価値。金銭の室。物質、所有する富や財力を示す。

 

3)第三ハウス・・知的な能力。対人的な能力。言語能力。文章力など。

 

4)第四ハウス・・住居と生活環境。家庭の室。母親、両親、祖父母。故郷。

 

5)第五ハウス・・創造の室。プライベートな生活。恋愛、子供にも関係する。

 

6)第六ハウス・・肉体と健康。責任と義務などの労働に関係する室。

 

7)第七ハウス・・人間関係の室。結婚やパートナーシップを表す。

 

8)第八ハウス・・先祖から受け継ぐもの。精神的な価値観、遺産など。

 

9)第九ハウス・・哲学、宗教、教育などを表す。魂的な価値のあるもの。

 

10)第十ハウス・・転職、地位、野心の室。生涯をかける業績とその使命など。

 

11)第十一ハウス・・価値を同じくする人。組織を通じての理想。未来の理想など。

 

12)第十二ハウス・・秘密、カルマなどの宿命的なもの。潜在的なものをみる。

 

 

ホロスコープの解釈について

西洋占星術で実際にホロスコープを読む場合、総合的に上記の解釈を組み立てる必要があります。各天体の外向性や内向性、およびサインの3要素を調べます。次に地水火風の4素子、各天体の支配星とサインを検討し、次に天体の作るトライン、セクスタイル、スクエア、オポジション、コンジャンクションなどをオーブの幅を考慮しながら加えていきます。

 

そして天体とサインとハウスの関係のバランスを見て総合的な判断を下します。実際に慣れるまで複雑に感じますが、今は精度の良い占星術ソフトなども出ているので、その解釈なども参考にすると良いでしょう。解釈ができるようになると、占星術も実用的、かつ魅力的なものとなるでしょう。

 

八島高明の西洋占星術教室3へ続く。

 

2021年07月07日