八島高明の人相・手相教室3

手相と人相占いには奥義がある

人相占いや手相占いは、本質的には個人の内面にあるその人なりの「無意識の個性」を読み取る技術だということができます。ただ、現代心理学でも様々な心理テストを通して個人の無意識の特徴を読み取ることができます。しかしこれらは占いとは言いません。実は、人相占いや手相占いの本当の奥義というのは、私は別のところにあると思うのです。では人相術や手相術の奥義とは何でしょうか。その奥義とは、実は「目に見えないものを見る」という点にあるのです。人相や手相ではこれを「気色をみる」と言います。

 

手相に現れた気色を読み取る

手相占いや人相占いの達人になると、手相や人相として実際に形となって現れたもの以外にも、目に見えない領域に存在するものが時々見えていると言います。たとえばその人の「内面で思っていること」「考えていること」、あるいは「その人の過去の出来事」や「近未来の出来事」が像となって見えると言うのです。

 

過去には実際にそうした達人がいたと言われます。これは現代でいうところの「透視」の一種だと考えることができます。本当の達人レベルになると、こうした未知の能力が開けてくるのかもしれません。これが手相術や人相術を学ぶ人たちの目指す境地なのでしょうか。ただし、こうした特殊な能力は誰でも簡単に開けるものではなく、また開けたと思ってもそれがどの程度実用的なのかは問題のあるところでしょう。たとえば簡単な占いレベルであれば、西洋占星術や四柱推命でも容易にその人の個性を読み取ることが出きます。

 

ですから、そこには具体的にどの程度まで実用化できるレベルまで到達しているか、という問題もあるのです。相学はそこが一番のネックとなるのかもしれません。これは、こうした特殊な能力を使用する他の占術にも言えることであり、たとえばタロット術や霊感占いなども同様な問題があると言わねばなりません。

 

こうした特殊な能力は私自身の経験からも言えますが、その扱いが非常に難しいものがあるのです。たとえばその見者が何かを見たと思っても、それが単なる「相談者の虚像」であったり、あるいは「まったく関係のない雑多なイメージ」であったり、あるいは見者の「思い込み的な先入観であったり」するなど、直感を誤認する場合が多々あるのです。ですから普通の人がこうした相術の勉強を始めてわずか数年で、こうした達人のレベルに到達することはないでしょう。

 

霊感的な占術には注意が必要

これは他の霊感的な占術もまったく同様です。こうした特殊な能力を使用する場合は常に合理的な検証、あるいは起きている出来事との辻褄の合う論理的な整合性を確認する作業が欠かせません。手相占いや人相占いを志す人、あるいはタロット術や霊感占いをする人などは、常にそれを忘れてはいけないでしょう。

 

こうした意味からすれば、こうした能力は普通の人が勉強を通じて一から学ぶには難しく、ある意味、生まれついての優れた直感力を持つ人、あるいは霊感のある人向きの占術とも言えるようです。また、これは非常にまれではありますが、こうした特殊な能力を持つ人には相談者の背後にいる守護的な存在者が「何か危険が迫っていることを告げることもある」ということも最後に付け加えておきましょう。

 

八島高明の人相・手相教室(了)

2022年06月15日