手相や人相占いとは
手相占いや人相占いの根底にあるのは、私たち人間の「潜在意識」です。この潜在意識は見ることも触ることもできませんが、現代の心理学はこの存在を認めており、無意識下にあって私たち人間の意思に大きな影響を及ぼしているとされます。
どんな人でも時にはこの潜在意識の中で作用している強烈な欲望や激しい衝動、あるいは妄想的な想いを実感することがあると思います。
たとえば、誰でもこういう経験があるのではないでしょうか。「あなたの言う事は頭では理解できるが、腹の底では納得できない」。あるいは「なぜだか理由ははっきりとしないが、腹の虫がおさまらない」など。これらも潜在意識の内部で生じている現象ですが、こうした日常の経験からも、この潜在意識の作用の一端を垣間見ることができます。
人相や手相の根本には潜在意識
見ることも触ることも出来ない潜在意識は、その存在が理解できても、ではそれが心の内部でどのような働きをしているかは誰にもわかりません。時々わかるとしても、断片的なものです。
つまり、私たち人間は自らの意思決定に大きな影響を及ぼしている可能性のある潜在意識が、実はどのような内容や構造を持っているのかをほとんど知らないのです。現代の心理学によれば、私たち人間の意識全体の比率のうち、潜在意識の割合はその90%、残りの10%が通常の一般的に見える顕在意識です。しかし、これほど大きな影響を及ぼしている潜在意識のことをよく知らないというのは、実は大きな問題とも思えるのです。なぜならその作用を知らない為に、人は大きな失敗をすることがあるからです。
人相や手相で潜在意識を知る
では、どのようにしたら潜在意識の世界を知ることができるのでしょうか。実はその答えの一つが、人相占いや手相占いなのです。人相学や手相学ではこの潜在意識の内面にあるその人の本質が「相」となって顔や手のひらに現われてくると考える発想法です。
たとえば「服装の派手な人」がいます。これは潜在意識の中にある「異性の目を惹きつけたい」という願望に他なりません。また気になる異性を見るときは、誰でも瞳が大きく開いて輝くものです。他にも誰かに嘘をつくときは、その人と目を合わさないなどの癖が出て来るものです。
こうした人間の無意識の心理作用というのは、それがある程度まで強まってくれば、それが何らかの形となって表に現われてくる、といっても間違いではありません。だとすれば、そうした細かな相の現れを統計的に分類して整理していけば、人相占いや手相占いのようなものを作れるということにもなるでしょう。ただ注意が必要なのは、現在の人相占いや手相占いがどの程度まで正確にその人の潜在意識の内容を読み取っているのか、ということでしょう。
東洋の古典『神相全編』とは
人相学の古典とされるものに『神相全編』というものがあります。この本は千年も前の中国で書かれた本ですが、たしかに内容は当時の時代を反映したものではありますが、現代においても参考になる部分がたくさんあります。
この『神相全編』では人の人相を14種類に分けて吉相と凶相に分類しています。
◇良い人相とは
1)威相・・どことなく威厳があって自然と人を従わせる相。大政治家、大実業家など。
2)厚相・・目・鼻・口・耳が大きくて全体的に重厚な相・大臣、大資産家など。
3)清相・・あくのない清らかな相で、すがすがしい印象を与える人。医者、研究者など。
4)富相・・顔全体がふくよかで、おおらかな印象の相。今で言えば資産家、実業家など。
5)貴相・・高貴さと品性を感じさせる相。今で言えば高位高官的な印象。
6)寿相・・いわゆる長寿の相。瞳が純粋で声に張りがある。
7)古相・・頭や顔の骨がゴツゴツとした相。純朴で保守的な人だが頑固さがある。
◇悪い人相とは
1)孤相・・どこかさびしそうな顔の人。貧乏ゆすりをして、せかせかと落ち着きがない。
2)薄相・・顔も体も貧弱で、どことなく陰気な印象の顔の人。目に力が無く顔も暗い。
3)悪相・・相貌はゴツゴツした印象を与え、怖い感じのする人。声も怖い印象。
4)俗相・・世間ずれして悪賢く、いかにも品性のなさそうな印象を持つ顔の人。
5)夭相・・口が小さく鳩胸であり、いつも下ばかり向いている人。
6)貧相・・鼻の長さが短く、口も締まりがなく、歯がむき出しになっている人。
7)弧苦相・・男性でも女性に見え、女性でも男性に見える人。晩年は孤独になりやすい。
さて、あなたはどれに当てはまりますか。まあ、確かに上記のような極端な顔をみれば、誰でも同じような印象を受けることでしょう。世の中には「怖い顔の人」が確かにいますし、その反対に「ふくよかな顔」の人もいます。またそれは顔だけではなく、服装などの外見にも現れますが、こうした人を見たときの印象は、どんな人にも共通するものがあります。これが人相や手相の原理へと繋がるのですが、この続きはまた次回にやりましょう。