算命学とは
算命学とは日本人の高尾義政氏によって作られた占術です。生年月日を使用して個人の運命を占います。この「算命学」という名称は高尾自身によって命名されたと思われます。もともと「算命」というのは、本場の中国においては「占い」の類いという意味があり、固有の占術を指すものではありません。しかし日本においては算命学は高尾氏によって創出された独自の占術を指しています。
最初の始まりは、中国の文化大革命によって日本へ避難してきた中国人が、高尾氏に教えたと言われています。おそらく算命学の内容からすると、それは中国において子平、八字、命理と呼ばれるものでしょう。これらはすべて日本においては「四柱推命」と呼ばれるものです。高尾氏はそれをベースに独自の技術や理論を加え、オリジナルの算命学として体系化したと言えます。
算命学の特徴とは
四柱推命と算命学の大きな違いは、算命学は「生誕時間を使わない点」にあるでしょう。そして他にも四柱推命の命式と呼ばれるものを「独自に表」としてシステム化している点です。他にも四柱推命にはない独自の理論を採用していますが、一番の特徴は「システム化された表」を採用したことでしょう。
この表は四柱推命の複雑な命式を簡略化し、誰にでも理解できるように明瞭に作成されています。容易に理解しやすいという点では確かに四柱推命を上回るものがあるかもしれません。四柱推命は初心者には解釈が難しいという難点があります。よく四柱推命では干支の複雑な要素を解読できずに、判断そのものが間違ってしまう危険性があります。その点では算命学のように明瞭にシステム化したほうが、初心者には理解しやすいでしょう。その点は四柱推命の変形版でありながらも、評価されている点でしょう。
算命学のやり方とは
まず、あらかじめ作成された独自の暦を使用して「人体星図」という表を作成します。さらに「陰占宿命」という表も作ります。「人体星図」は生まれ持った宿命を表します。以下のような意味があります。
1)中心星・・四柱推命でいう元命。自分自身を表す。運命の主体。
2)第一命星・・配偶者を意味する。中心星との関係で相性をみる。
3)第二命星・・部下などの目下のものを意味する。中心星との相性をみる。
4)第三命星・・恋人を意味する。中心星との相性をみる。
5)第四命星・・上司などの目上を意味する。中心星との相性をみる。
すべての判断は自分自身である中心星に拠ります。中心星に入る10種の星と周囲の命星に入る星との相性によって吉凶を判断していきます。以下の10種類の星である10大主星を使って判断していきます。
1)貫策星(かんさくせい)=四柱推命の比肩に相当する。日干と同じ五行で陰陽が同じもの。自己意識。
2)石門星(せきもんせい)=四柱推命の劫財に相当する。日干と同じ五行で陰陽が異なるもの。保守的な影の自己意識。
3)鳳閣星(ほうかくせい)=四柱推命の食神に相当する。日干から生じる五行で陰陽が同じもの。包容的な共感感情。
4)調舒星(ちょうじょせい)=四柱推命の傷官に相当する。日干から生じる五行で陰陽が異なるもの。排他的な感情。
5)禄存星(ろくぞんせい)=四柱推命の偏財に相当する。日干から剋する五行で陰陽が同じもの。流動する物や身体。
6)司禄星(しろくせい)=四柱推命の正財に相当する。日干から剋する五行で陰陽が異なるもの。固定する物や身体。
7)車き星(しゃきせい)=四柱推命の偏官に相当する。日干を剋する五行で陰陽が同じもの。自己抑制力。仕事。
8)牽牛星(けんぎゅうせい)=四柱推命の正官に相当する。日干を剋する五行で陰陽が異なるもの。仕事。責任感。権力。
9)龍高星(りゅうこうせい)=四柱推命の偏印に相当する。日干を助ける五行で陰陽が同じもの。知恵。好奇心。
10)玉堂星(ぎょくどうせい)=四柱推命の印綬に相当する。日干を助ける五行で陰陽が同じもの。伝統的な知恵。自己愛。
12大従星とは
次に12大従星という要素を使って細かな判断をしていきます。陰占宿命、天中殺、12親干法などの組み合わせで総合的に判断していきます。このあたりの構成はシンプルであり、初心者でも理解しやすいように工夫されています。四柱推命にはない配慮と言えるでしょう。
算命学は四柱推命に比べると取り組みやすいという特徴があると思います。たとえば「自分のことをすぐに知りたい」という場合は算命学のほうが有利かもしれません。こうした工夫が随所に凝らされており、四柱推命よりも親近感を感じる人も多いようです。ただ、それでまったく問題がないというわけでもありません。一例をあげるとすれば「生誕時間を使用しない問題」も出て来るのです。この辺りについては次回に検証していきましょう。